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「今の平和は、尊い犠牲のおかげ」岸田首相の式辞に元特攻兵が憤り「ありきたりの言葉で尊い犠牲を出したことへの責任が感じられない」
終戦の日の15日、テレビでは日本武道館での全国戦没者追悼式で式辞を述べる岸田文雄首相の姿が流されていた。「今日の我が国の平和と繁栄は、戦没者の皆様の尊い命と、苦難の歴史の上に築かれた」
福岡県田川市の看板絵師、篠原光雄さん(95)は思った。「またか」。尊い犠牲の上に、今の平和がある――。「国が戦没者を追悼するのは当然。だけど、なぜありきたりの言葉しか言えないのだろうか」
篠原さんは元特攻兵だ。1944年7月、15歳でパイロットを養成する海軍飛行予科練習生(予科練)となり、45年2月に広島県大竹市に送られた。割り当てられた役目は、特殊潜航艇「蛟竜(こうりゅう)」の乗組員。事実上の特攻兵器の一つだ。
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