
【経緯まとめ】須崎市のマスコットキャラクター「しんじょう君」にそっくりの「ちぃたん☆」須崎市が敗訴し786万円の賠償命令 須崎市は控訴予定 作者は共に「端広こう」さん
須崎市のマスコットキャラクター「しんじょう君」にそっくりの「ちぃたん☆」須崎市が敗訴し786万円の賠償命令
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potatoさん
須崎市のマスコットキャラクター「しんじょう君」にそっくりの「ちぃたん☆」須崎市が敗訴し786万円の賠償命令
須崎市のマスコットキャラクター「しんじょう君」に酷似したキャラ「ちぃたん☆」を運営する芸能事務所「クリーブラッツ」が、取引先に同社が著作権を侵害していると虚偽の事実を告知されたなどとして須崎市に4323万円の損害賠償を求め、須崎市もキャラクターの使用差し止めと市の権利を侵害し不当に得た利益など2695万円の支払いを求めて反訴した訴訟で、東京地裁は7日、須崎市に対し786万円余りを支払うよう命じる判決を言い渡した。
須崎市の楠瀬耕作市長は同日、「到底納得いくものではない。控訴に向けて手続きを進めるよう考えている」とするコメントを出した。
ちぃたん☆を運営する株式会社クリーブラッツと須崎市の裁判について
担当 : 元気創造課 / 掲載日 : 2024/11/07
1.はじめに
株式会社クリーブラッツ(本社:広島県呉市青山町5番1号、代表取締役:池田正流氏(別名:池田せいじ氏、芳晶せいじ氏)、以下「クリーブラッツ社」といいます。)の運営する「キャラクターちぃたん☆」は、現在多方面でのメディア露出やコラボレーション活動を行なっていますが、その活動に関し、損害賠償請求や使用差止請求等をめぐり、今なお、須崎市(以下「当市」といいます。)と訴訟で係争中です。その第一審(東京地方裁判所)の弁論が、令和6年10月17日に終結し、令和7年2月7日に判決が言い渡されることになりましたので、その経緯等について報告させていただきます。
なお、この件に関するお問合せは、電子メールによるもののみお受けいたしております。電話や窓口でのお問い合わせについては、対応いたしかねますのでご了承ください。
2.事件名
●令和3年(ワ)第18479号損害賠償請求事件
⇒(クリーブラッツ社が当市に損害賠償を求めて訴えた事件)
●令和5年(ワ)第70136号使用差止め等反訴請求事件
⇒(当市がクリーブラッツ社に対し、「キャラクターちぃたん☆」の活動差止め等を求めた反訴事件)
3.双方の共通認識
「キャラクターちぃたん☆」は、しんじょう君に似せてデザインされたこと。
4.双方の主張(対立点)
●クリーブラッツ社
「キャラクターちぃたん☆」の活動は、当市より黙示の許諾(正式な書類による許可はないが、「キャラクターちぃたん☆」が誕生してからの活動に対し、当市が異議の意思表示をしていないことにより、許可と同等の効果がある)を得ており、適法な活動である。
●当市
当市は、生き物である「コツメカワウソちぃたん☆」に観光大使を委嘱したもので、「キャラクターちぃたん☆」は、当市の意に反しクリーブラッツ社が強引に製作し活動をはじめ、既成事実を積み重ねたもの。後述の理由によりクリーブラッツ社を信頼できなくなり、観光大使を解任した時点で「キャラクターちぃたん☆」も活動を停止すべき。
仮に黙示の許諾が成立するとしても、その許諾は「何に対し?」「いつまで(期限)?」「対価は?」等、何も定かではなく、このような不安定な法的関係を継続させることは、一方的に権利者である当市に不利益(経済的不利益+イメージ等のソフト的不利益)をもたらすものである。
5.これまでの経過
クリーブラッツ社は、裁判において「キャラクターちぃたん☆」の利用を永年、無償、無条件・無制限で行えると主張していますが、これまでの経過については、下記のとおりとなっています。
●平成25年4月
しんじょう君、お披露目。
●平成28年11月
しんじょう君、「ゆるキャラグランプリ2016」で優勝。
●平成29年8月
クリーブラッツ社より、しんじょう君に「コツメカワウソちぃたん☆」の冠番組(チバテレビ)に出演してほしいと打診がある。
●平成29年9月
クリーブラッツ社より、「コツメカワウソちぃたん☆」を当市の観光大使にしてほしいと話を持ちかけられる。その際、「コツメカワウソちぃたんは、ツイッターのフォロワー数が数十万人を超えていて、当市をPRできる」などと、それによる当市のメリットについて説明される。当市は、当市のために協力を申し出てくれているものと素直に信じ、これに応じる方向で話を進める。
クリーブラッツ社より、「キャラクターちぃたん☆」を作成したいので、しんじょう君のデザイナーを紹介してほしいと依頼され、これに応える。
なお、「キャラクターちぃたん☆」は、「しんじょう君の兄弟とか親友という設定で作りたい」などと提案されたが、当市は、すべて断る。
●平成29年10月
「キャラクターちぃたん☆」のイラストについて、ほぼ完成した段階で初めて当市に示される。あまりにもしんじょう君に似すぎていたため、デザインの変更について提案するも、変更されることはなかった。
(※)しんじょう君に似すぎていたことについては、デザイナーが同じであるため、たまたま同じようなデザインになったものだと思っていたところ、実は当市に無断で「しんじょう君を女の子にしていただいて、胸元にリボンなどをつけていただければうれしいです」などと、しんじょう君に似せてデザインするよう、クリーブラッツ社がデザイナーに指示をしていたことが、後の裁判において発覚した。
●平成29年11月
クリーブラッツ社より、「キャラクターちぃたん☆」の着ぐるみを作成するにあたり、また、関係各所から、デザインがしんじょう君の色違いだが許可を取れている保障がほしいといわれており、これに対応できるようにしたい旨の相談を受ける。
これに対し、当市は「キャラクターちぃたん☆」の着ぐるみを製作し、本家であるしんじょう君や当市のPRのために、須崎市観光大使委嘱式に出席したり、それに関連して多少の活動をしたりする程度であれば、しんじょう君そのものを作るわけではないから、委嘱式までの時間的制約に鑑みて、特に許可等の手続は必要ないものとして扱うこととし、「着ぐるみ製作であれば、しんじょう君を作るわけではないから、許可する必要はない」旨の回答をする。
これに対し、クリーブラッツ社より「着ぐるみ製作会社だけではなく、今後タイアップする企業へも証明しなければならないため、その旨を正式な書面により証明してほしい」と依頼される。
当市は、正式な書面での発行が必要であれば、具体的な許可の内容、範囲、条件等の希望を明示した正式な書面で申請いただき、その内容を審査した上で、正式に決定する必要がある旨を伝えるも、以降、正式な書面での申請は一切なされていない。
●平成30年1月
東京都内において委嘱式を開催。正式に「コツメカワウソちぃたん☆」を須崎市観光大使に委嘱する。この時、「キャラクター(着ぐるみ)ちぃたん☆」がお披露目される。
●平成30年2月~6月
「キャラクターちぃたん☆」の過激な動画が炎上。当市に大量のクレームが寄せられるようになる。
当市は、「コツメカワウソちぃたん☆」を観光大使に任命しているため、沈静化に協力したり多方面で活動をバックアップする。
●平成31年1月
「キャラクターちぃたん☆」が当市のPRと無関係に営利活動に邁進するようになり、当市の観光大使としての活動がなくなっていたこと、観光大使任命の理由であるtwitterのフォロワーが水増しであったこと、当市に無断で「キャラクターちぃたん☆」のイラストに係る国内商標登録を平成29年12月に行っていたこと、週刊誌報道による池田社長のスキャンダル等の理由により、クリーブラッツ社との信頼関係が維持できなくなり、「コツメカワウソちぃたん☆」の観光大使の解任と、「キャラクターちぃたん☆」の活動停止を求める。
●平成31年2月
当市の定例記者会見において、「キャラクターちぃたん☆」の問題点を指摘する。
東京地方裁判所に「キャラクターちぃたん☆」の標章と着ぐるみの使用禁止を求める仮処分命令申立を行う。
●令和元年9月
「キャラクターちぃたん☆」の標章と着ぐるみの使用については、当市の黙示の許諾が認められるとして、仮処分の申し立てが却下される。
●令和元年10月
即時抗告を行う。
●令和元年12月
即時抗告が棄却される。
●令和3年7月
クリーブラッツ社は、当市が行った定例記者会見等により損害を被ったとして、当市に対し、約4,324万円の損害賠償請求を起こす。
●令和5年3月
上記事件に対し、「キャラクターちぃたん☆」の使用差止と損害賠償(不当利益返還)を求め、反訴を行う。
多分作者が同じで似てるということ
「須崎市の”ちぃたん☆”使用停止申し立てが却下 “権利侵害”に当たらず」というニュースがありました。
高知県須崎市がゆるキャラ「ちぃたん☆」の使用停止を東京地裁に仮処分を申し立てていた件について、同裁判所は20日、「ちぃたん☆」のデザインしようが須崎市側の主張する「権利を侵害するもの」ではないとして、申立を却下する旨を決定した。「ちぃたん☆」のマネジメント会社が発表した。
ということです。須崎市の公認ゆるキャラであるしんじょう君と(ほぼ確実に同じ作者の作品と考えられる)ちぃたん☆が酷似していることを理由として、須崎市側が著作権侵害による使用停止を求めていたものです。なお、仮処分なので、今後、本訴で結論が覆る可能性はあります。
一般に、著作権侵害が認められるためには、1) 対象が著作物であること、2) 著作権保護期間内であること、3) 対象が類似していること、4) 依拠性があること(偶然の一致ではないこと)、5) 特別な権限がないことが必要となります。今回のケースでは、1)、2)、4)については議論の余地なく成立するでしょう。3) については一見似ていても、共通部分がアイデアに過ぎなかったりありふれた表現であったりする場合には、著作物として類似とされない場合も多くありますが、今回のケースで言えば、この作者の個性が表れている目の表現等がそっくりなので、著作物として類似とされる可能性はかなり高いと思います(余談ですが、キャラクターとしてはいずれもとても魅力的な作品と思います)。
「須崎市の”ちぃたん☆”使用停止申し立てが却下 “権利侵害”に当たらず」というニュースがありました。高知県須崎市がゆるキャラ「ちぃたん☆」の使用停止を東京地裁に仮処分を申し立てていた件について、同裁判
作者は「端広こう」さん
同名のペットをモチーフとしたゆるキャラ。秋葉原出身で、秋葉原観光推進協会の公式キャラクター[4]。YouTuberとしても活動しているほか、2018年10月からは『Popteen』のモデルも務めている[5]。
しんじょう君のデザイナーである端広こうがデザインした[6][7]。カワウソの妖精という設定で、年齢は永遠の0歳。頭の帽子はカメちゃんというキャラクターである。
ペットが須崎市の観光大使に任命されると、同一の存在として観光大使を名乗るようになる[8]。ただし、市はこれを明確には認めておらず、「自称」観光大使であったとしている。
ゆるキャラとは思えないダイナミックな動きをした動画はTwitterを中心に話題となった[9]。中でも「倒れない棒と遊ぶちぃたん☆」の動画はTwitterトレンド大賞2018にて「Most Retweeted Tweet 個人の部」を受賞した[10]。
2018年10月からクリーブラッツの関連会社キャランドゥが運営し、クリーブラッツはキャラクター作りの委託を受けているという関係にある[11]。