ringoさん
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「なんで地震なのに戦闘機が飛ぶんですか」知られざる自衛隊の初動と意義について解説
昨日の地震で「なんで じしんなのに せんとうき が とぶんですか」(悪意ある意訳)なことを書いてる人もいるので、せっかくなので地震発生時の自衛隊の初動と意義について解説してみようかなと思う。
ツリーに続く
まず自衛隊の方針として「震度5強以上と推定される地震が発生した場合、各部隊は状況の確認と災害対応の準備を行う」というのがある。
これによって迅速な情報の収集を行い、災害派遣要請時に迅速な行動を取るための準備と必要な能力の見積りの資にする。
さらにその情報を政府、自治体及び関係各所に提供することでより正確な実態を把握するために利用する。
実際、地震に限らず災害発生時には陸海空問わず情報収集はあらゆる手段を利用して行われており、その一貫として各災害対策本部にLOと呼ばれる連絡員が災派要請前に派遣されるのもそれ。
で、昨日のF-15のSCRについて。
深夜帯の地震に、救難機やヘリではなく戦闘機なのかという疑問に対して。
まず、第一に進出速度の違い。
ヘリはどんなに飛ばしても、進出に固定翼より時間がかかる。その分情報の鮮度は落ちるし、何より「ヘリはその後に取っておく」というのもある。
固定翼救難機についても緊急発進態勢を取ってはいるけど、戦闘機のそれと比べて即応性は劣るし、やはり救難機は「その後に取っておく」ことも考える必要がある。
そして初動で必要な情報として重視されるのは、「全体的な影響のある事象」例えば大規模火災、津波、土砂崩れ等になる。
そこで、SCRが発令されれば5分以内で離陸でき、経路と燃料の許す限り高速で進出できる戦闘機は「大雑把でも新鮮な情報を得る」ためには非常に有用といえる
例えば昨日のような深夜帯の地震では、戦闘機の偵察能力は限られる。しかしながら高速で進出し、可能な限り送る情報が大切である。
例えば「仙台上空、火災は見えない、一部市街地が暗い、仙台駅は確認できない」という情報が流れたとする。ここから「火災は無いが、仙台駅を含む一部市街の停電が考えられる」という情報になる。それを次発のヘリ等に共有することでさらに詳細な範囲の上空偵察を行うことが可能になる。
また「○○と思われる場所、渋滞」これだけでも地上偵察の進出のためには非常に有益なものとなる。
熊本地震のF-2による偵察の際にも言われた「なにも見えない」という情報ですら停電等の判断に役立つのだから、当然今回も…ということになる。
こうして様々な方法や関係各所からの情報を収集、処理することで正確なものにすることで効果的な災害対応を行うというわけ。
ピンポイントの情報は自治体等に勝るものはないけど、災害時には「自治体が動けない」ということも往々にしてあるので、やはり収集手段は多いに越したことはない。
災害は有事と同じく、初動と情報が文字通り生死を分けることが多い。
故に「使えるものは何でも使う」ことを躊躇う暇はない。
こういうときに自衛隊が行動するのは、何かしら意味があります。
どうか「妙な価値観」に縛られないで見守ってください。
以上です
みんなの声
@Tiger_oneshot 個人的には進出速度よりもすぐ発進できる態勢(5分待機)が整っているのが戦闘機だから、だったのではと思ってます。
救難隊も待機してるのでしょうが、アラートに比べると少し発進に時間かかりそうですし。
でもP-1も飛んだみたいなので、私の考えは間違いかもしれないです。
@ra_line2 補足としてお答えします。
もちろんアラートの立ち上がりの早さが一番の理由で、その時間も含めて「進出速度」と表現しました。言葉が足りなかったですね…。
おそらく戦闘機のSCRで全体の状態を把握→哨戒機、ヘリ等の低速域の強い期待で裏付けと詳細な確認→地上部隊の偵察という風に流れています
@Tiger_oneshot そういうことだったのですね。
失礼しました。
いずれにせよ、過去の教訓や犠牲の上で今の迅速な体勢があるのですね。
自衛隊も早かったですが、内閣の被害調査チーム派遣や災害救助法適用、常磐道の被害復旧着手もかなり素早いと感じました。
@Tiger_oneshot 初めまして!
分かりやすい解説で大変勉強になりました。
SCRは領空、海侵犯だけじゃなかったのですね。
先ずは、森を見てから木をみると解しました。津波や停電等を一刻も早く大雑把でも情報把握して司令部に送り共有して災害の拡大を防ぐことは重要な任務なのですね。
@srorj007 はじめまして。その通りです。
基本的には対領侵が優先ですが、緊急事態には使えるものを使って確認するのです。
実際に、停電なら電源の準備、水道管破損が現認できれば給水支援、津波であればその位置から到達までの時間計算と、やれることが増えるので…
@Tiger_oneshot なるほど、津波の位置が分かれば到達時間が計算できますね。
ごもっともです。
@Tiger_oneshot つまりヘリみたいに空からどんな状況なのか確認するために飛んでるってことかな?
@CRESTIndustria その通りです。夜間で限定された能力でも黙視確認できる情報を得て、それを送ることで後発のヘリや地上部隊が行動する優先順位をつけやすくなります。
何もわからないゼロの状態よりは、小さい情報でもある方が行動しやすいのです
@Tiger_oneshot @CRESTIndustria 細かい事で悪いが
[黙視]じゃなくて
[目視]な
@komeyakaitaiya はじめまして。
初動対処してほぼ寝てない頭で書いたので許してください……
@Tiger_oneshot んなこともわかんねーのかよ!とか
上から目線や貶すわけではなく、一般の方にも分かりやすく丁寧な説明、流石ですね
色々な意味で読んでいてスッキリしました
我々のような趣味や知識欲etcではない一般の方は日頃、戦闘機という単語さえ見る機会は少ないでしょうし!
(*´ω`*ノノ☆パチパチ
@hatori_piyoko それが私の仕事ですので!キリッ
皆様のご理解あってこそ活動ができるのでございます故
@Tiger_oneshot ところで大変不躾ではあるのですが一度言ってみたかった言葉がありまして失礼させていただきます
ちょ、おま、有名人じゃん!!!
(⺣◡⺣ก)💦一回言ってみたかった
@hatori_piyoko まじ通知止まらんwwww
私も一回やってみたかったですwありがとうございますww
@Tiger_oneshot 3/11でも仙台空港に駐機してるヘリは国交省やらTV局やら数機あったけど、地震あとの点検で津波到達まで間に合わなかった(揺れで機体破損のおそれ)
松島基地も同じ
だから被害の少なかった地域から素早く足の早い機体を出すのは利にかなってる
@Tiger_oneshot 地震だと機体も滑走路もその多施設も人も被害に逢う
ヘリなら機体の確認だけやって離陸、あとは他の基地に…て事も可能かも知れないが、固定翼機は滑走路が…
つまり被災地に近いほど素早い行動が取れない場合もある
だから全国組織の自衛隊が可能なところから…はあり得る