ringoさん
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【解説】モリサワが写研のフォントをOpenType化へ「ジャンプ全盛期に使われていた写植フォントがデジタルで使えるように」
あの衝撃の発表から10年。
ついに写研OpenType化の具体的な道筋がついた。
しかもそれを後押しするのは、
ともに写真植字という時代を切り拓いたかつてのライバル・モリサワ。
2024年のリリース開始が待ち遠しい。
日本のフォントの歴史が、変わる。
t.co/clWlBrtKrv
モリサワ OpenTypeフォントの共同開発で株式会社写研と合意
あれから10年、信じて待ってたんだよ。
あと3年は待つらしいけど、確約されてて待つのは全然苦じゃないもん!
t.co/xBa5iwyMTd
あれから10年、信じて待ってたんだよ。
— 祥太 (@shota_) 2021年1月18日
あと3年は待つらしいけど、確約されてて待つのは全然苦じゃないもん!
この発表の意味をわかりやすく説明しますと、専用の機械が必要になるためここ15〜25年くらいだんだん使われなくなってきたこれらのフォントが、フォントとして私達にも使えるようになります。
そう、ジャンプ黄金期に使われてたフォントが、やっとこさ自由に使えるようになるの!!!! https://t.co/OhJ5L7WVPH
あと写研書体が使えると、70~90年代デザインを完コピできます。
繰り返します。70~90年代を完コピできます。
そうそう、写研書体が「完全に」OpenType化されるともう一つ嬉しいことがあって。
諸橋大漢和が「ちゃんと」電子化できます。
昨日は何気なく、とても寂しい気持ちでこれを貼ったんですけどね。まさか今になってこんな発表があるとは。
t.co/6ujwZKnnsM
の20年で私にとって非・写研書体は「手の届かない写研の代わり」から「それ自体がかけがえのないファッション」になった。
各ベンダーにお気に入りのフォントがたくさんある。
そしてこれから先、あらためてそこに写研書体が加わるのが、何より嬉しい。
いやもうほんとマジで、写研書体OpenTypeリリースというのは他でたとえようがなくて、その衝撃は「写研書体がOpenTypeでリリースされるくらい」としか言いようがない。
「10代の頃からの夢が現実になる」って体験、そうそうない。
あの頃は手が届かなかったフォントワークスやモリサワのフォント、そしてAdobe製品も、少しずつ少しずつ揃えて今に至る。
そして今、写研に手が届こうとしている。
聞いてるか16歳の俺!! あと25年頑張って生きろよ!!!
写研書体OpenType化に関するフォントかるたさんのツイート読んで!
t.co/ZuKjtSFFq1
それでもプリキュアにはたった一箇所だけ、写研書体が生き残ったところがありました。
それは、OP最後の東映本社クレジットの石井太ゴシック体。これは東映本社の制定書体でも何でもなく、『メイプルタウン物語』の時に組まれたデザインが、デジタルになっても35年間引き継がれてきたのです。 https://t.co/ZZlwAzdrQ7
たとえ写研書体が使えるようになっても、私の中では乗り換えるといった類では全くないんですよ。イメージとしてはタンスの増設に近い。
私の中ではマティスUBもリュウミンUも大蘭明朝も使いどころが全く違うんです。
というわけで拙著「プリキュアのフォント」シリーズを訂正します。
「2021年にその㈱モリサワとの共同開発にて写研書体をOpenTypeフォントとして2024より順次リリースすることが発表されました。」 https://t.co/6OEwiDtTJo
年号だけ変えても良かったものを
「実現していません。」
「全く進展していません。」
「音沙汰はありません。」
と書き換えているあたり、怨念めいたものを感じる。
モリサワからってことは、『フォント男子』に突如として大物キャラが大量投入される可能性あるな…
どの書体がリリースされるのかは気になるわね。
まさか基本書体だけ出して終わりなんてことはなかろ。
ほとんど写研のない世界で育った世代が写研書体をどのように受容し使いこなしていくのかも大いに興味がある。
もしかしたら、ギリ「古めの漫画で使われてた謎のフォント」として認知している人もいるかも知れないけど。
そう、昨日神田川を散歩してるときに撮ったこの案内板もですね。
ふつうこんなのわざわざ撮らないんですけど、「写研書体だった」というそれだけの理由で足を止めて写真を撮り、しばらくそこで看板を愛でていたわけです。
もうこの子達の活躍する出番はない…そんな諦めや寂しさを感じながら。 https://t.co/kuVdw3TWf7
なぜ写研書体のOpenType化が大ニュースなのか、若い方にご説明すると(ちょっと長文)。
現在のデジタルフォントになる前、印刷用の文字の大半は「写真植字」と呼ばれる方式で作られていました。通称「写植」です。写植は写研とモリサワの二大メーカーが圧倒的な勢力を持ってたのです。
写研とモリサワは元々は同じ会社でしたが、意見の相違から分れたという経緯もあり、また勢力を争うライバル会社でもあったのです。モリサワは書体のデジタル化に素早く対応しましたが、写研はユーザーに切望されながらここまでデジタル化して来なかった。
写研の書体見本帳から拝借したものです(社研さんには使用について確認を取っています)。フォントかるたの札にも、いくつか写研の書体を使用しています。
何度かデジタル化の噂は流れたものの、実際に動き出す気配はなく、社長は亡くなり社屋もいくつか取り壊され…。このまま書体と共に消えてしまう
のではないかと思っていました。そこにこのニュースです!
切望していた写研書体のデジタル化。そしてそれを実現するのが、かつて写研と袂を分かったモリサワさんであると。
t.co/PPKpqbWPAX
こんな胸熱なことがあるでしょうか。昭和を懐かしむ古参デザイナーの我々だけでなく、若い方々にもかつての名書体デザイナーさんたちの思いの詰まったフォントを使うことができる機会がやってくるのです。今はただ、本当にありがとうございますという気持ちです。(長文終わり)