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イチジクの剪定方法

イチジクの剪定方法

イチジク栽培では品種に対応した剪定法があり以下に紹介しています。しかし、秋果であれば剪定は簡単と言う事を説明しています。

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イチジクは必ず剪定が必要

イチジクの剪定方法

イチジクには必ず剪定が必要です。その大きな理由は剪定をすることで脇芽が出てきて、果実の収穫が格段に増えます。剪定をしないと果実の収穫はほとんどないからです。

イチジクの剪定方法は、(1)品種(夏果、秋果、夏秋兼用)、(2)仕立て(T状とV状)、(3)植え方(鉢植えと露地植え)とそれぞれ異なりますので少々複雑に見えますが、慣れれば意外に簡単なのでご心配いりません。手間暇を掛けたく無い人は秋果を選ばれるのがよいと思います。

イチジクの剪定は落葉時期に行います。剪定の際には、芽と芽の間で切るようにします。最盛期の場合、イチジクは葉が増えると、果実に日が当たらなくなり、生育が鈍くなったり、枝葉が茂りすぎて風通しが悪くなって、病害虫が発生しますので、花芽がついていない枝や勢いのない枝は根元から切ります。

特に剪定に重要なのは、今、育てているイチジクがどの品種タイプ(夏果、秋果、夏秋果)なのかを把握しておきましょう。

次に「品種による剪定方法」と「仕立て方(樹木の伸ばし方)での剪定方法」また「鉢植え栽培と露地栽培での剪定方法」を述べます。

品種による剪定方法

品種による剪定方法には3通りがあります。剪定時期は落葉時期の秋から冬場です。 

夏果の剪定について

夏に収穫する花芽は秋から翌年の冬に掛けて枝の節目に出来た花芽で、それが熟して翌年の夏に収獲します。この花芽を落とすと翌年の果実はできなくなりますからご注意ください。

ひと枝に5〜6個の実(花芽)をつけるようにして先を切ります。先を切れば脇枝がでてきて翌年の花芽が増えます。一方、花芽のない枝の先を切ると、翌年に新枝が出て翌々年の花芽が増えます。花芽を沢山つけると風通しが悪くなるので5〜6個としましたが、風通しがよいなら、8〜10個でも可能です。但し、風通しが悪いと病害虫が発生しやすく、また実がよく腐りますので伸びすぎた枝や邪魔な枝は切ってください。

夏果は大きくて甘いですが、日本では梅雨がある為に、その梅雨の天候の影響で実の出来不出来が左右され、腐ってしまうのが難点です。また、剪定しずらく、鉢植えではコンパクトに仕立てにくい。また、日が良くあたるようにしないと果実が熟しずらくなります。

秋果の剪定について

秋果は小ぶりですが、日本では秋果と夏秋果がよく流通しています。とくに一般家庭菜園では秋果が育て易いと思います。但し、秋果は品種的に寒冷地での栽培は厳しいです。

今年の春に伸びた新枝(1年枝)についた花芽が秋に果実をつけるので、昨年の2年枝は2〜3芽残して必ず切り詰める。冬に多少切り詰めても問題ありません。昨年の枝の花芽2~3芽を残して切り詰めることで春以降に脇芽を出させ収穫を増やすことができます。

また混んでいる枝は間引きます。後述の夏秋果と違って、剪定が簡単なので、手間暇をかけたくない人には秋果がお薦めです。

夏秋兼用果の剪定について

夏果は2年前の枝の先端、秋果は今年の1年枝のもとに花芽がつきますので、剪定には2つの方法で行います。夏秋兼果とは言え、夏よりも秋の方が果実も多く収獲できますので、やはり秋果収獲を重視した剪定となります。

新枝(1年枝)の一部は剪定せずに1~2芽を残します(秋果収獲の為)。その他の枝は2~3芽残して(夏果収獲の為)切り詰めます。一部を残すのは枝の先端に夏果ができるからです。すべてを切り詰めると、枝ごと夏果を切り落としてしまうことになります。夏秋果の剪定には一工夫がいりますので、家庭菜園では夏秋果よりも秋果をお薦めします。
ただし、夏秋果の夏の収獲を求めないならば、秋果同様に、今年の1年枝を2〜3芽を残して切り詰めると翌年その新芽が伸びて枝(鞘)になり、その枝から秋果ができます。

イメージとして、一本の枝(鞘)の根元の方に夏果ができて、同じ枝(鞘)の先から新しい鞘ができて、その鞘の葉の根元に秋果ができると考えてください。

樹形のV状とT状の仕立ての剪定法

イチジクの剪定方法

イチジクは、ほおっておくと背丈がどんどん高くなり、しかも茂みのような状態になります。そのようになると剪定も収獲もしづらく、しかも、あまり甘くなく、小粒が増えてしまいます。それ故に、イチジクは毎年、落葉時期には必ず剪定をしましょう。

「V状仕立て(V型・Y型)(放射状)(杯状)」の剪定

鉢植えも露地植えも剪定方法はほぼ同じでV状仕立ての場合は、放射状に伸ばしていきますが、鉢をベランダに置く場合、上下空間も左右区間も制限されますので幅、高さ共に少しでも狭く・低めにこじんまりなるように剪定をします。イチジクは新芽があればそこから長い枝を伸ばす事ができます。

1年目の冬に植え付けた苗木は、鉢植えは地面から20cm(露地植えは、地面から約50cm)(花芽を2〜3個残した長さ)の位置で切ります。そうすると翌年の春になると、その花芽から新枝がでて伸びていきます。但し、鉢植えの場合は、1年目の夏に新枝を3本残して後の枝は切り落とします。2年目の冬は、新枝を30cm前後(花芽を2〜3残した長さ)位置で切ります。更に3年目の冬は、同様に新枝を2芽残して切ります。

このようにして、Y型の先にY型ができて、更にY型ができる形で順次ツリー構造が形成されていきます。各枝にヒモを掛けて開張すると風通しも良くなります。年数を重ねる毎に大振りの果樹になりますので、新苗を植え直すのが良いかと思います。

特に、鉢植えの3〜4年目には、不要になった新枝を新しい丸鉢に挿し木されて、次のイチジク苗の準備をされた方がよいでしょう。挿し木は、水を駒目に与えれば簡単に根付きます。そのようにすれば新し苗をホームセンターで買う必要がありません。

T状仕立て(T型)」の剪定

樹形ができあがったものは、毎年落葉時期の冬に剪定を行います。『秋果専用種』と『夏秋兼用種』でやり方 が異なります。秋果種は新枝を2~3芽残して切ります。秋果は春に伸びた枝に付くので、冬に切り詰めても問題ありま せん。夏秋種は一部の新枝は剪定せずに1~2本残し、他の枝は2~3芽残して切ります。一部を残すのは枝の先 端に夏果ができるからです。

鉢植えと露地植えの一般的な剪定法

鉢植え式剪定

1年目冬(12~2月)は、苗木を20~30cmのところで切る。
1年目の夏のみ新枝3本残し、後は切り落とします。
その後、2年目冬、3年目冬毎に枝の剪定をします。品種別の項を参考に剪定する。

露地植え式剪定

1年目冬(12~2月)は、苗木を50cmのところで切る。
その後、2年目冬、3年目冬毎に枝の剪定をします。品種別の項を参考に剪定する。

注意すべき点は、秋果は春から伸びる枝に実が付く為どこを切っても問題ありませんが、夏果、夏秋兼果は前年伸びた枝に実が付きますので実を付けさせたい枝は残さなければなりません。

最後に補足として病害中の防除の問題ですが、イチジクの病気としては主なもので約12種類、害虫も主要なもので約7種類ほどあります。例えば、疫病、黒カビ病、さび病などの病気、カミキリムシ類、ハダニ類、アザミウマ類、ネコブセンチュウなどの害虫がありますが、これらの防除に適用した農薬がありますが、ここでは解説しません。 筆者の経験では、カミキリムシの幼虫の被害が毎年多発し、この場合、農薬を使わずに、簡易ガスバーナーで焼き殺す方法で対処しています。

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