hatakeさん
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おいしいスイカ
スイカの栽培での注目すべき5つのポイントは、「土づくり」「種(苗)選びと定植、スイカ結実個数」「剪定、受粉作業」「病害虫防除」「収獲時期」です。
目次
土作り
まずひとつめは「土作り」です。
これには一般的な方法と筆者の手抜き方法の2つがありますので説明していきます。
畝(うね)の作り方
一般的には長い畝をつくる方法(一般的な栽培法)と、二つ目には畝は作らずに、1株ずつの小さな小山をつくる方法(簡易法・手抜き法・耕耘が面倒な時には便利)があります。前者は、いろんな書物やサイトで詳しく紹介されていますので、ここでは簡単に説明しますが、スイカの品種、即ち、果実の大きさで畝幅や株間(苗と苗を植え付ける間隔)が決まります。
また小玉の場合には、重量が軽いので支柱を使って、空中栽培(支柱を使って垂直に空にむかって育てる方法)が可能で畝・株間も狭くすることができます。大玉や中玉は重いので地這え(地面に水平に伸びて育てる方法)で行います
大玉品種で5〜8kg、中玉品種で3〜4kg、小玉品種で1kg前後の重さです。
①(一般法)地這え方法の場合
大玉の場合:畝幅は2〜3mで、苗と苗を植え付ける株間は80〜100cm以上
中玉の場合:畝幅は2〜3mで、苗と苗を植え付ける株間は60〜80cm
小玉の場合:畝幅は2〜3mで、苗と苗を植え付ける株間は40〜60cm
上記を目安にして耕耘し長い畝を作ります。小玉の場合は地這えと空中栽培が可能で、空中栽培の時は、畝幅60〜80cmの狭い幅での栽培が可能です。しかし、空中への高さは1.5〜2mは必要になります。この高さはキュウリやゴーヤー(ニガウリ)と同じような高さまでつるを伸ばします。大玉、中玉のつるが2〜3m水平に伸びて行く替わりに、小玉のつるを垂直に空中に伸ばします。
空中栽培
また畝長(畝幅ではなく)については、大玉、中玉、小玉の畝長は、植えるスイカの苗の数で決まります。
例えば、大玉スイカの場合、株間は100cmとして、3株植えたい場合はその3倍の300cmとなり、3株のスイカの為の必要な総面積は、畝幅300cmX畝長300cm=9平方m=約3坪で、部屋の大きさで言えば6畳の部屋が必要になります。
②簡易法、手抜き法とは穴あけ式の事
穴あけ式
この方法は畝らしい畝をつくりません。スイカの苗を植えたい場所のみ穴を掘ります。大玉も中玉も小玉も同じで、また、地這え式栽培でも空中式栽培でも同じ手法です。
まずスコップで直径30cm、深さ30cmの穴を掘ります。そしてその穴に、元肥になる肥料を入れます。この肥料については後述します。とにかく、この穴に肥料を入れた後、穴埋めし、地面よりも10〜20cm高くなるように盛り土します。
これでスイカ苗の1株を植える場所が完成です。そしてこの穴は、株数の数だけ穴掘りをします。大玉、中玉、小玉でも、地這え栽培、空中栽培でも、穴の大きさと深さは同じですが、スイカとスイカの距離、即ち株間だけが、大玉、中玉、小玉では異なります。
大玉の場合:畝幅は2〜3mで、苗と苗を植え付ける株間は80〜100cm以上
中玉の場合:畝幅は2〜3mで、苗と苗を植え付ける株間は60〜80cm
小玉の場合:畝幅は2〜3mで、苗と苗を植え付ける株間は40〜60cmで、空中栽培の畝幅は60〜80cmでよい。
この穴式の手抜き方法であれば、上記の一般的な畝立て方法と比べ、長い畝を耕耘しなくて済み、重労力の手間も省けて、しかも時間の短縮になり、他の作業にその時間を使うことができます。
肥料の入れ方
①一般法での元肥(最初に与える肥料のこと)として
1平方mあたり、堆肥(牛糞か、鶏糞)2〜3kg、苦土石灰100g、リン酸60gを施肥します。筆者の推薦では、特にリン酸と同じ成分の「骨粉」を60gを散布すると実り良さと甘さが増えます。
例えば、大玉スイカ苗を3株を水平に延ばして植える場合、
大玉ならば畝長(2〜3m)X畝幅(80〜100cm)X3株=最小約5平方m(最大9平方m)なので、最低の理論上は、上述の5倍量の施肥、即ち、堆肥10〜15kg、苦土石灰500g、リン酸300gとなりますが、スイカの場合、畝幅は蔓が水平に伸びるエリアを確保する為に2〜3mになっているだけですから、理論上の50%程度の量にして、畝に均一に散布し、肥料が全体に混ざるように耕耘します。
ここで注意事項としては、その畝の前作にどのような野菜を植えていたかで前の肥料が残っている場合があります。例えば、秋冬作の白菜などが前作に植えていた場合、肥料がまだ残まだ残っている状態と推測されますので、この場合は、少し控えめに、目安として10〜20%少な目に施肥をした方が好ましいと思われます。(不足の症状「葉の色合いが薄いとか、成長が遅いとか」がでた場合には、追肥で補います)
過剰な肥料の与えすぎ(元肥が多い)と「つるボケ(つるが伸び過ぎて、葉が茂みの状態になって十分なスイカの果実ができない状態をいいます)」が発生し、実りが悪くなり、玉の大きさも小さくなりますので注意が必要です。
②簡易法・手抜き法(穴あけ式)での元肥として
上記では1平方mあたりの施肥量で記述していますが、この簡易法では1株1穴の量を施肥します。この方が合理的と思います。
大玉、中玉、小玉でも、堆肥(牛糞か、鶏糞)3〜4kg、苦土石灰200g、ここで甘くするポイントとして、リン酸と同じ、骨粉を200g、と更に油糟200gをこの穴の底に入れて撹拌し土で埋めますが、もし腐葉土があれば穴に詰め込みます。埋めた後の畝の高さは10〜20cmになるように小山にします。その理由は水捌けをよくする為です。
甘いスイカの作りの筆者のテクニック
①簡易法を採用
即ち1株1穴方式である。
②1穴にいれる肥料は前述の通りである。
骨粉
但し、骨粉にはBSE(牛海綿状脳症)対策されたものを使う事です。市販の大部分はBSEの骨粉は販売されていません。
さらに、骨粉よりさらに良い肥料はバットグアノでこれはコウモリの糞ですが、価格的には非常に高いので使っていません。尚、骨粉は1kg袋入り500〜600円で売っています。更に、甘みを増す肥料には油糟がよいと農家ではよくいわれていますので、油糟も併用して元肥に入れるのが好ましいと思いますが、1kg袋はあまり見かけなくて5、10,15,20kgの単位で販売されています。油糟にも乾燥油糟とか、ペッレト状・団子状のものや、骨粉混合など価格帯に応じて各種ありますが、ここではオーソドックスなナタネ油糟を使っています。
③特に甘みを増すにはリン酸系の骨粉の施肥と根元に雨水がかからないようにする事です。
④畝の高さ
次に畝の高さ、即ち丸い穴を掘って元肥を入れた後、穴に土を戻しますが、もし腐葉土があればその穴に入れて戻されるのが良いでしょう。更に、水捌けを良くする為にも高さ10〜20cmまで盛り土し、丸い山にされるのが好ましいです。
⑤黒マルチのシート
スイカも複数株を植えますので、植えた株数の距離だけ黒マルチのシートを被います。この理由は四つあります。
ひとつは、植える時期は4月〜5月ですから、まだ朝晩の気温が低く、土の温度も低くなりますので、土の保温効果を得るためです。但し定植時期が遅くした場合には黒マルチシートを敷く必要はありませんが、雑草対策が必要の場合には敷かれてもかまいません。
二つ目は、雑草を生やさない為です。
三つ目は、スイカは「飢饉スイカ」とも呼ばれ、スイカは過剰な水を嫌いますので、防水効果があります。根元に水がたくさん回ると腐りやすい。日照りが強いほど甘いスイカができます。とは言え、若苗の時に水を与えないのは骨頂で、やはり定植して1ヶ月ほどの成長期には水をそれなりに散水すべきです。
四番目は、病気対策です。加湿になると病気も発生しやすいのでその予防にもなります。
⑥ビニール傘
更に、つるが1m以上伸びる頃には、筆者はさらに株の根元にビニール傘のようなものを被せます。U字型の支柱を一定間隔に差し込んでその上に透明ビニールシートをはります。丁度、ビニールのトンネルができます。故に、畝を高くあげ、黒マルチを敷いて、更にビニールトンネルを貼るという三重の防水対策です。やはり日本の6月〜7月の梅雨期間が長く、雨量も多いので、このような防水対策をし、できるだけ株の根元、及び周辺に水がかからないようにしています。補足として、ビニール傘は霜よけにもなりますので、早い時期に定植をされる場合にはこのようなビニール傘を定植と同時にされるか、或いは、ビニール帽子(苗帽子、保温カバー、苗カバーともいう)が販売されていますので、それを苗に被せて霜よけにする事もできます。
甘さのキーワードは、①リン酸系の骨粉、②水捌け対策につきます。
甘みに関して言えば、これで十分ですが、1株につける実の数を欲張っては甘みなどの味覚が落ちますのでほどほどの数にしましょう。
中玉・黄色スイカ
地這え栽培式で、定植時期が遅かったので黒マルチをしていません。
小玉・赤色スイカ
空中栽培式で黒マルチとビニール傘を設置
種(苗)選びと定植、スイカ結実個数
種(苗)選びと定植
自分で種から植える方法と市販の苗を購入する方法の二つあります。
種については各種苗メーカーから色んな品種がでていますので、自由に選んでください。但し、大玉、中玉、小玉や、赤色、黄色などもあり、好みに応じて選べば良いでしょう。ここでは種からの栽培については省略します。というのも播種(種を蒔く事)時期が2月〜3月という寒い時期に行いますので、ビギナーでは育てる事が少々難しいと思いますので省略しました。
苗については、実生と接木があります。実生というのは種から育てた苗で価格も安いです。接木は基礎(根元)がカボチャ系の病気に強い苗の上にスイカの苗をつないだもので、手間暇がかかっている分、高い価格です。連作障害対策(連作とは、毎年同じ場所に同じ苗を植える方法の事で、病気も含め生理障害が発生しやすくなります)として、接木のスイカ苗を使います。スイカの連作禁止期間は長く5〜7年でその期間中は同じ場所にスイカ(ウリ科を植えると連作になります)を植えると病気に罹りやすく、発育不全になります。それ故に畑エリアが少ないと、ローテーション期間を5〜7年もあけることができないのでやはり接木の苗を購入する事になります。甘さについても接木よりも実生の方が苗が丈夫で、甘く美味しいと云われています。経験上、苗全体が丈夫で、病気に強い傾向でした。
甘さの点からみれば筆者の経験では、実生の方が接木よりも甘く(糖度12度以上目標)育つ傾向がありますが、家庭菜園1年目は実生の苗で植えて、場所がない場合には、2年目以降は接木苗をお薦めします。4年毎に植え替えられるエリアがあれば、4回まで実生で5回目から接木苗となるでしょう。スイカの品種は大玉、中玉、小玉や、赤色、黄色と色々あり、種苗メーカーの通販や、ホームセンターで選んで下さい。
次に苗を植えた後は、定期的に、およそ1週間1〜2回の散水をしましょう。
やはり若い苗の間は水も必要です。多くは必要がないです。週の間に雨が降れば、その後の3〜4日後に散水すれば良いでしょうが、パラパラ雨では週1〜2回ペースを守ってください。
スイカ結実個数
スイカ1株で何個収獲できるのか?
スイカ品種によっても異なりますが、栽培の時に実の摘果によっても収獲個数が変わります。一般的に、1株あたりの目安としては、大玉2〜3個、中玉3〜4個、小玉5〜6個までです。欲張って、これ以上の数を収獲しようとすると苗が疲労し、生理障害も生じ、甘さも落ち、時には早く枯れる場合があります。これを防ぐには肥料管理と水管理と病害虫管理をこまめにする必要があります。
筆者は小玉1株で10個収穫をしたことがありますが、散水、追肥、つるの誘引などの工夫を必要とします。しかしながら、8個あたりから味覚が落ち、サイズも小さくなり、苗の枯れが加速されて最後にご臨終になります。メロン栽培でも経験済みですが、メロン栽培と同じで1株1〜2個が良い品質のものが収獲できますが、やはり欲がつきものでついつい小玉でも1株4〜6個を狙って栽培しています。
剪定(つるや果実の間引き方法)と誘引(つるを伸ばす方向)、受粉作業
剪定と誘引
つるが、特に最初は親つると言って1本だけが伸びて行きます。そして、葉と葉の間を節と言いますが、根元からその節を数えて7つめ(7節目)になれば、一番先端の葉先1cmほど切ってください。これを剪定と言います。そして暫く日数が経つと、7節以下のの各節から子づるが出てきます。理屈的には7節先で剪定したので7本の子つるがでてきます。実際は時間のづれや成長度から3〜4本程度が元気に伸びて行きます。各の節から数cmの子つるが伸びてくれば、元気な子つる4本残して他の子蔓が切ってください。そしてこの子つるから孫つるがでてきます。この孫つるにスイカが雌花が咲いて、そこに実ができます。孫つるにも各節に雌花がどんどん咲いていきますが、この孫つるに受粉し実ができれば、2個に留め、それ以上の実は摘果してください。理屈上は4本子つるにそれぞれ孫つる2本、言い替えれば孫つるに実が2個できて、(子つる4本)X(孫つるの実2個)=8個 のスイカの実ができることになりますが、確実に実がついて安定すれば個数を減らす摘果をおこなってください。
つるの誘引だけでなく、小玉スイカの空中栽培の時には、スイカの重みで落ちる場合がありますので、必ずスイカを果実ネットに入れてつり下げるか、又は、スイカの首のつるのT型になるところに紐を通してつり下げるなどをして落ちないようにしましょう。
受粉作業 (自然受粉と人工授粉)
そしてこの子つるがどんどん伸びて行く課程で、その子つるの各節に孫つるが伸びてきます。その孫つるにメス花が咲いてそこに実が結実します。
慣れれば雄花を雌花に手作業で人工授粉するのが良いのですが、慣れないときは虫に任せておくのが良いと思います。筆者の経験では、小玉、中玉は虫任せで(自然受粉)十分に実(1株2〜4個)がなります。しかし大玉は事情が異なり、何故か、大玉1株で1〜2個までは虫任せで収獲出来ますが、それ以上に数が欲しい場合にはやはり人工授粉作業が必要になりますが、ここでは省略します。人工授粉したから確実に実ができる訳でもなく、出来ても腐る場合があります。成功率は50%前後と見て下さい。ですから孫つるの節々から雌花が咲きますので、最初に受粉させたからと言って、その先の雌花を切らないでください。確実に必要な実を確保してから不要な雌花を取り除く事です。筆者のメロン栽培で人工授粉を行いましたが成功率20〜30%でした。メロン1株に2個つける為に20雌花人工授粉させ、その内確実に実ったが2~3個で、他は未受粉か、或いは、腐ってる事例が多い。但しスイカの場合は、もう少し成功率が高く、実際60〜70%ありました。
花が咲く頃にはつるの長さは1m以上になっています。受粉し、小さな実が数個できた頃から散水は1週間に1回にします。大量の雨が降れば1週間内に散水は不要です。さらに実がピンポン球になるまでは追肥は一切不要です。穴式の場合、最初の穴に入れた肥料で十分足りていますが、一般的な畝式では追肥を何度も与える必要があります。特に、大玉は肥料食いで追肥が何回か必要になります。
筆者は、1株あたり4個が野球の球の大きさになるまで追肥は一切しません。前述で説明した必要個数であれば、最初の元肥のみで十分成長し、甘さ(最悪でも糖度11度ですが通常12度が多い)も確保できています。放任主義であれば、追肥は不要でしょう。小玉、中玉でも、個数を多く欲しい場合には追肥を何度か行います。
さらに一言、人工授粉日か、又は、自然受粉の時は、ビー玉の大きさを発見した日付を荷札に書いてその実の首につり下げて置くのがよいでしょう。というのも収獲時期を見極めるにはこの日付が一番重要になりますので、ぜひ書きましょう。
病害虫防除
スイカの害虫にはいろんな虫がいますが、その中でも一番やっかいなのは、ウリハムシと油虫の被害が一番、頭を抱えます。ウリハムシの成虫は黄色羽を持っています。この虫は葉を食べるだけでなく、やっかいな病気も伝染させますので、この対策が非常に重要です。(地域によっては発生の少ない場所もあります)このウリハムシはスイカの根元の土の中に卵を産み付ける習性がありますので、定植時にスイカの株の根元に砂を敷き詰める事でかなり防ぐことができます。ウリハムシは砂が嫌いなようです。もちろん、農薬で防除する方法もありますが、ここでは省略し、また別の機会にします。
次に、油虫ですが、これもやっかいそうですが、意外に簡単に防除できます。
1リッターの水に、サラダ油かオリーブオイルを小さじ一杯と、皿を洗う洗剤を数滴を入れて撹拌した液をスイカの葉に散布すれば、油虫はすぐに窒息します。これを1週間毎に2~3回行えばほぼ全滅します。さらにスイカに肥料をやり過ぎると、つるボケ(つるばまりが伸びて実ができない)になったり、油虫がたくさん発生します。筆者の経験では元肥重視で追肥は一切しない事で油虫被害はほとんどありません。初心の時は元肥、追肥も沢山与えた為に油虫が大量に発生した事がありますがこのオオリーブオイル水で撃退しています。
害虫以外に、烏対策が必要な場合があります。これには鳥ネットでスイカ畑全体を覆うようにするか、烏退治用小物を使用したり、或いは、烏から見えないように草か藁で覆うように対策をしましょう。
収獲時期はいつか?
収獲時期の見極めは非常に難しいです。高額の糖度計(非破壊型糖度計約20万円、液式糖度計2~4万円)などを持っておればそれで計る事も可能ですがプロ以外はそのような装置を持ち合わせていません。それで、一般的には、
「①糖度計での管理」、「②気温の積算管理法」、「③単純な日数管理」、「④ヒゲの枯れ状態で管理」の四通りがあります。
昔からスイカを叩く音で判断すると言われていますが、ほとんど当てになりません。しかしながら、鈍いボコボコという音がした時は、収獲の手遅れで、「棚落ち」とも言われ、中の果肉が崩れている可能性が高く食べるには至らない状態と見て良いでしょう。このような状態になるとしばらくするとスイカが自然に割れてしまう場合が多いです。さて、
収獲時期の判断には高い糖度計ががいりますので、初心者にはこの方法は採用しません。
非破壊型糖度計以外は、収穫後にスイカの汁(蜜)を取り出してからしか糖度測定できませんのでやはり、以下の方法から収獲時期を判断するしかないと思います。
「積算気温」の方法ですが、先程の荷札に、実った日付を書いていますので、その日からの平均気温を積算していきます。大玉スイカで積算温度1000度、小玉スイカで850〜900度、中玉はその中間です。
「単純な日数管理」の方法は、もう少しラフです。
大玉スイカで45〜50日、
小玉スイカで35〜40日です。中玉はその中間です。但し、スイカの品種でも異なる場合があるので通販か、ホームセンタで買った店での表示を見られるとよいでしょう。例えば、タキイの黒スイカの大玉は開花後47〜50日とあります。また1番果は40日ほどで、2番果は30〜35日経過後収獲という場合もあります。ですから品種や、産地の土壌や、気候変動や、肥料の与え方や、ハウス栽培かトンネル栽培か等、いろんな条件で収獲時期が変わりますので、筆者は③と④の組み合わせで判断して収獲をしています。早く採りすぎたとか、遅すぎて棚落ちしていたなどの失敗もありますが、所詮家庭菜園なので、あきらめています。
③は大まかにその収獲日付を特定し、その頃にはスイカの実の根元のつるの色をみて収獲をしています。そのつるの枯れ状態、言い替えればつるの色が綺麗な緑から、枯れたような濃い焦げ黒茶色かをみています。緑はまだ早く、濃い焦げた黒茶色は逆に手遅れですので、その中間の少し枯れたような濃い茶色でつるが細くなっている時に収獲します。そのことで適時収獲としています。甘さについては少しあっさり目の11度から甘い12度でうまく収獲できています。ここまで3〜4年の経験がかかりました。現在の栽培暦は8年生です。11度か12度かの結論は、市販のスイカを買ってくる時に、店では糖度が書いていますので、その甘さと比較して自分の収獲したスイカは何度だったと決めています。