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ショウガ栽培

ショウガ栽培

ショウガは香辛野菜や民間薬で世界で広く使われています。又、炭酸飲料、のど飴、菓子、料理具材等多くの加工品に使われています。家庭栽培も簡単なのでその方法を解説します。

更新日:

1.ショウガのルーツ

ショウガの原産地の特定は野生種が発見されていないので不明であるが、有力な通説は熱帯アジアと言われ、インドからアジア南部と考えられています。
紀元前3〜5世紀前から保存食や薬用とされており、中国では紀元前から薬用に用いられていたようです。

日本へは2〜3世紀頃に中国から伝わり、主に薬用として栽培されていました。江戸時代ごろから一般的な食用として広まりました。ヨーロッパは13世紀頃に伝わり、15世紀末頃から栽培作物として育てられました。

平成28年度の日本の収穫量は50800トンで出荷量は40100トンです。ベスト3の生産県は1位は高知県、2位は熊本県、3位は千葉県です。国内生産の40%以上を高知県が占めています。

ショウガは気候の比較的温暖な地域で栽培されています。ホームセンターで販売されている種ショウガも主に高知県産と千葉県産が目に付きます。種ショウガも大ショウガは高知県産が多く、小、中ショウガは千葉県産が多いようです。

日本では露地栽培ですが、促成栽培をしている所もあります。ショウガは高温、多湿を好み、乾燥には弱い野菜で、日陰でも育ちますが、やはり日当たりと温暖な気候とそして、一定の雨量を必要とし、そのような気候地では多くの収穫ができるので、高知県は適在地と言えましょう。

2.ショウガの品種

ショウガは、植物学分類ではショウガ目ショウガ科ショウガ属で、また同じショウガ目にはミョウガやウコンなどもあります。ショウガは地下に根茎があり、地上には葉だけが出ています。花も咲かせるようですが、日本の気候では開花する姿をみるのは難しいようです。

花は白色、黄色、赤紫、オレンジ色等の種類があるようですが筆者は栽培中に一度も見ていませんが、
次のサイトの

にショウガの花が紹介されています。方の近くの植物園には咲いているかもしれませんのでぜひ確認され見学されてはいかがでしょうか。

筆者は、茗荷(ミョウガ)を関西で栽培していまして、この花は7月から9月にかけて咲いていますがショウガの花は未だに見たことがありません。

現在の世界的な生産国はインド、中国、ネパールが盛んであり、その次にナイジェリア、タイのようです。

ホームセンターで販売している種ショウガも国産では、高知県産と千葉産がありますが、やはり価格の安いタイ産や中国産の種ショウガも販売されています。筆者は関西地方なので、その経験では、中国産とタイ産も買って栽培しましたが、特にタイ産は気候が合わないのか、栽培方法が下手なのか、種がもともとよくなかったのかどうかわかりませんが、発芽率がかなり悪い経験を2〜3回しています。

やはり国産が日本の気候にあっているようで発芽率80%以上ありました。品種として日本では、根茎の大きさから大ショウガ、中ショウガ、小ショウガの3種類にわけています。

①大ショウガ

大ショウガ は晩生種で、茎や葉も大きく成育し根茎はよく肥大し大きな株になり1個の大きさが1kgにもなることがあります。年間通じて野菜売場にあるのはこの大ショウガが主流で販売されています。品種としてお多福ショウガ、大身(印度)ショウガ、土佐黄金ショウガ、土佐ショウガ、近江ショウガなどがあります。

②中ショウガ

中ショウガ は中生〜晩生種で、辛味の強い品種です。1個の大きさが500g前後で繊維質が早く形成されるので貯蔵せずにに漬物や加工品に利用されています。品種として三州ショウガ・黄ショウガなどがあります。

③小ショウガ

小ショウガは早生種で、辛味は強く、収獲量も多く、葉ショウガやハシガミとして市場に出回っています。1個の大きさが300g前後で品種として、三州ショウガ、金時ショウガ・谷中ショウガなどがあります。

また栽培・収獲法で、別の呼び方として、根ショウガ、葉ショウガ、矢ショウガとも言います。

④根ショウガ

根ショウガは、地下の塊根部分を食用とするものを言い、大ショウガ、中ショウガが該当します。紅ショウガや、寿司用に添えられるガリに使われています。

⑤葉ショウガ

葉ショウガは、根茎が小指程度の大きさにまで成長した段階で葉が付いたまま収穫したものを言い、小ショウガが該当します。葉ショウガの一品種として谷中ショウガがあります。

⑥矢ショウガ

矢ショウガは、軟化栽培して15cm程度に成長したところで太陽に当てて茎元が紅色になったところを収穫するものです。小ショウガ栽培途中で、土寄せをしないでむしろ土を除く手法で栽培すればよいかと思います。別名、筆ショウガ、芽ショウガ、一本ショウガ、軟化ショウガとも呼ばれています。また、和食料理など焼魚の添え物としたものは「はじかみ」とも呼ばれています。

矢ショウガは、軟化栽培して15cm程度に成長したところで太陽に当てて茎元が紅色になったところを収穫するものです。小ショウガ栽培途中で、土寄せをしないでむしろ土を除く手法で栽培すればよいかと思います。別名、筆ショウガ、芽ショウガ、一本ショウガ、軟化ショウガとも呼ばれています。また、和食料理など焼魚の添え物としたものは「はじかみ」とも呼ばれています。

3.栽培時期

  ショウガの植える時期は、4月〜5月頃が栽培時期ですが、ショウガは生育適温が25~30℃の為、最低地温が18度以上になってから植え付けをするのが良いので、できれば5月に入ってから植え付けをしましょう。夏には葉ショウガ、秋には根ショウガとして収獲することができますので、7月〜11月の長い期間で収獲できます。尚、ショウガは連作をすると腐敗病が生じやすく禁止期間3〜5年間はあけてください。

4.栽培前の準備

ショウガの野菜づくりの前に、まずは陽当たりのよい場所を選びますが、ショウガ栽培は半日陰の場所でも育ちます。ショウガは、発芽まで1ヶ月半〜2ヶ月ほどかかり、収穫は葉ショウガとして2ヶ月後以降から収穫できる野菜です。

ショウガの適切なペーハーは弱酸性のPH=5.5〜6.0で、この数値はジャガイモ、ニンニク、サトイモも同じです。生姜は酸性の土を嫌います。日本は雨が多いので、何年も放置すると畑の土のpHが6以下になってしまいます。

植え付けの2週間前に1平方mあたり100〜150gのかき殻の「有機石灰」(骨粉もお薦めです)又は「苦土石灰」を全面に散布し、pHを6~7(7が中性なので弱酸性)にし、20cmくらいまで深くよく耕しましょう。

その1週間後に元肥として完熟堆肥(乾燥鶏糞、牛糞などがあります。水はけを配慮すれば腐葉土も施される事をお薦めします)を1平方mに3kgを全面に施してよく耕して、畝幅60cm、畝高20cmの畝を作り整地します。

もしゆとり時間があれば、植え付けの1〜2ヶ月前の3月〜4月に施肥をし畝を作って置くと堆肥も土になじみやすくなりますし、高い完熟乾燥粒状鶏糞、牛糞でなくても、安い通常の鶏糞で施肥する事も可能です。

5.種ショウガを購入する際のポイント

ショウガの場合、小ショウガか、中ショウガ、大ショウガかの種ショウガをホームセンターで買いましょう。種ショウガは無病のもので、鮮黄色でみずみずしくて色つやがよく、肉づきがよく、しまりもよく、よい芽を持っている種ショウガを選びましょう。

販売されている種ショウガの大きさは、バラバラなので、種ショウガとして大ショウガ、中ショウガは一片の大きさは50〜150gに、小ショウガは40〜60gに分割し陰干し、切口を自然乾燥させておきましょう。

植え付け時に芽が3、4個つくように残して、種ショウガのくびれている節目を手で分割します。また、暖かい場所に置いて、少し芽をだしたところで植えつけると生育がよくなります。日中は暖かい日向にだし夜間は室内にいれて寒さにあてないようにします。もちろん雨にも濡れないようにしましょう。

尚、購入した種生姜は13℃以上の場所で保管してください。10℃以下になると種生姜が腐り、20℃以上の場所だと芽がでますのでご注意ください。

6.種ショウガを植えつけする際のポイント

畝の中央に鍬でコの字形の溝、溝幅5cm、溝の深さ7〜10cmほど掘ります。植え付けには、溝に直角に向けて種ショウガを置きます。必ず芽を上向きに置きます。

小ショウガの株間は20~30cm間隔で、大ショウガの株間は30〜50cm間隔で、1個づつ空けて並べます。土を5cm厚さで覆土し、その後は土が少し盛り上がる状態にします。畑が乾燥している場合はあらかじめかん水しておいてください。

最低地温が18度以上になってから植え付けをするのが良いので、暖地では4月頃、中間地では5月に入ってから植え付けをしましょう。

根ショウガ栽培には株間30cmが一般的ですが、夏の葉ショウガを収穫したい場合には株間15cmに密植し間引くように収獲する事で夏は葉ショウガでその後は根ショウガを収穫する事ができます。

ショウガは発芽まで30〜45日間かかりますので、その間、雑草が早く成長しますので、植えつけた場所に棒などを立てて目印をしておきましょう。除草の時に間違って新芽を抜かないようにする為です。

もし秋に籾殻やワラを入手されて種付け頃まで残っておれば、定植後の畝の上にたっぷりと厚く撒かれることをお薦めします。雑草防除と乾燥防止の2つの役目ができます。

また、中には黒マルチをする場合もあります。そのメリットは雑草が生えにくい事と、雨が降った時に生姜の葉に土が跳ねるのを防ぎます。

但し、黒マルチをする時は最初に穴を開けて置く必要がありますが、どの部分から芽が出てくるかを予想しにくいという欠点がありますので初心者は避けた方がよいかと思います。

7.灌水(かんすい)のポイント

潅水は、植えつけ直後に水を十分に与えてください。ショウガは、高温多湿を好み、乾燥には弱い野菜ですから、土が乾いたら、たっぷり散水をしましょう。

但し、過失も嫌う為に排水良好な畑を選びましょう。一方、ショウガは乾燥に弱く、乾燥すると生育が悪くなり根茎の肥大が悪くなるので、こまめに灌水をしましょう。

ショウガは30日〜45日で発芽します。発芽後の灌水頻度は生育状態に合わせて調整しますが、梅雨明け後は土が乾燥し易いので、株元にワラか、干し草か、籾殻を敷き乾燥を防いでください。

夏場は朝、夕の低温時に畝間に灌水をするのがよいでしょう。長時間、畝間に水がたまると根腐れが出やすいので、排水も徹底して行う。

特に、黒土や水田跡地等、雨が降った後に水たまりができる畑は生姜栽培には不向きです。水はけが良くて、手で掘れる柔らかい土が最適です。

8.追肥と土寄せ作業

土寄せは、根茎の肥大に重要ですが、一度に強く行うと逆効果となります。芽が2本出たときと、4~5本出たときを目安にそれぞれ厚さ3~5cmずつ、2~3回に分けて行います。

追肥は土寄せと同時に行うと省力的で、6月上旬と8月中旬頃に2〜3回に分けて施します。

目安としては、1回目は草丈が15cm位の頃に化成肥料(NPK=888)1平方m25g、2回目は草丈が30~40cmの頃に35g、3回目は2回目の1か月後に追肥35gをします。畝に沿って肥料を施し、軽く土と混ぜます。

遅い時期の追肥は貯蔵性の低下につながるので行わないようにしましょう。

ショウガは根菜類なので追肥としてカリ成分の多い肥料か、カリの単肥(硫酸カリ、塩化カリ、珪酸カリ)を与えると良いショウガができます。カリ成分の多い肥料として、草木灰があります。また、ホームセンタにはリンP:カリK=10:10の化学肥料のリンカリ肥料も販売されています。

それ以外に、追肥に速効性の液肥を使う事もできます。液肥の製品として、以下に代表的なものを紹介します。

9.乾燥対策

梅雨明け以降は特に、乾燥を嫌いますので乾燥を防ぐために敷わらをします。特に乾燥しやすい畑では厚めに敷きます。特に真夏の灌水は非常に重要でこまめに水やりをしましょう。

真夏は追肥よりも灌水の方が大事で、この時期は特に肥大には水が一番影響を与えます。灌水方法は前述の「灌水のポイント」を参照してください。

10.収獲

ショウガは平均的には30〜45日過ぎから発芽しますので、葉ショウガを最初として収獲できます。

①ハシガミ、葉ショウガ、筆ショウガとしての収穫は

7月過ぎから、成長途中のもので、葉が6〜8枚の頃を目安に葉ショウガ、筆ショウガとして収獲ができ、甘酢漬け、生を味噌につけて食べたりもします。

②新ショウガとしての収獲は

成長の程度で異なりますが、夏の8月頃に収獲するショウガで、赤い茎の部分が付いていて甘酢漬けなどに使われます。市場では夏の6月から8月頃によく出回って梅酢漬け、紅漬け等にも使います。

③根ショウガ(ひねショウガ、単にショウガともいう)としての収獲は

秋の9月〜10月に根ショウガとして収穫します。八百屋で「ショウガ」と呼ばれて販売されているものが根ショウガです。根ショウガは貯蔵されたものも含め通年出回っています。この頃に出荷される、色白のものも新ショウガとも言います。

根ショウガは気温が10℃以下になると腐りやすくなりますので、それまでに収獲しましょう。遅くとも霜(気温5度以下)が降りるまでには全て収獲します。

尚、ジャガイモの種芋や、サトイモの種芋は食べられませんが、ショウガの種ショウガは食べることができます。繊維質で辛味が強いですが、おろして食べると良いでしょう。

ショウガ栽培

ショウガ栽培

11.ショウガの保存方法

ショウガの保管に最適な温度は13~15℃と言われていますが、最低10℃以上を保って適度な湿り気があれば貯蔵ができます。

また、土がついたまま保管するのがよいでしょう。保管温度が20℃以上と高いと芽が出て、10℃以下と低いと傷んでしまいます。

また、乾燥にも弱いため水を濡らした新聞紙に包んでビニール袋に入れて保管するか、或いは、乾燥を防ぐためにラップをまいて、涼しい場所に置きます。或いは、冷蔵庫の野菜室などで保管します。すりおろしたショウガはラップに包み冷凍しておけば、必要な分だけ解凍しながら使えます。

以下の方法は業務用に使われている手法と思いますが、もし畑にスペースがあれば、深さ2mの縦穴を掘って、切り落とした葉と一緒に埋めて保存できます。類似の方法ですが、もう少し詳しい照会されていましたので説明しますと、深さ2m以上の縦穴を掘り15cmくらいの厚さにショウガを積み重ね、その上に、砂や山土を10cm程度積み、これを繰り返す。積み終わったらもみがらなどを15~20cmの厚さに積み、ビニールトンネルなどで覆って雨水の浸入を防ぐという方法がJA(農協)で照会されていました。

貯蔵適温は14~16℃、湿度は90~95%で、18℃以上では発芽し13℃以下では腐敗するので注意することですが、この縦穴方式は、家庭菜園では不向きとは思いますが畑にゆとりのある方は一度チャレンジしてみてください。

家庭菜園者向けで、手短な方法としては、段ボール箱にビニール袋を入れて、籾殻を詰めた中にショウガを埋めて暖かい室内に置く事で保存できます。

12.ショウガの病害虫

①病気:

根茎腐敗病、立枯病、葉枯病、腐敗病、紋枯病、ウイルス病が発生します。

②害虫:

アワノメイガ、ハスモンヨトウ、センチュウ類、ネダニ、キノコバエが発生します。

13.ショウガの防除用農薬

病害虫の防除農薬に関しては、農薬メーカか、或いは、農薬を販売されているホームセンターの担当者にお聞きになり、かつ農薬の仕様を十分見てからご使用ください。

農薬には色々な制約(農薬の成分と種類、適用野菜、対象病害虫、散布方法、散布回数、散布量、希釈量、散布後の収獲時期、有効(使用)期限、農薬の成分混合組合せなど様々な制約項目)がありますので、十分説明書を読んでからご使用ください。

14.栽培動画

家庭菜園 プランター栽培のショウガを収穫 2014/11/29

出典元:YouTube

ショウガの育て方【コメリHowtoなび】

出典元:YouTube

生姜 国産 【高知県の生姜産地】 収穫

出典元:YouTube

生姜ハーベスタKS 2型1条用

出典元:YouTube

家庭菜園 葉ショウガ と 根ショウガの収穫

出典元:YouTube

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