hatakeさん
VIEW
1.栽培前の準備
野菜づくりの前に、まずは日当たりの良い場所を確保しましょう。
プランターでも育てられる野菜の一つとしてジャガイモがあります。プランターではサイズに限度がありますので、植えつける個数が1〜2個程度なので、ここでは食材というよりはあくまでも趣味の一貫として栽培されるのが良いかと思います。
ジャガイモの品種は約200種類ありますが、ホームセンターで販売されている種イモは約10種類ほどです。但し、春作用ジャガイモと秋作用ジャガイモがあります。
また春秋共通で栽培できるジャガイモもありますが、ホームセンターではその季節にあった種イモを販売されていますので、春用か、秋用かを考える必要はなさそうです。残る選択肢は、味、色、硬さ、調理しやすさです。ここでは全品種共通でのプランター栽培方法について説明します。
ジャガイモは、発芽まで15〜30日と言われていますが、筆者の経験では春植えジャガイモは約30日が多いです。秋植えジャガイモは15〜20日頃です。それ以上経過しても発芽してこない場合は地中で腐ってしまっている場合がありますので、軽く掘って確かめましょう。収穫までは60〜120日程で収穫できる野菜です。
プランター大きさとして長方形で野菜型のものを選び、更に容器は水はけのよい穴のあいたものを使い、底に小石か、軽石を敷き詰めましょう。ジャガイモの場合、深さ20cm以上で大型の横幅60cm25リッターの容量のプランターを選びましょう。ジャガイモは土寄せが非常に重要なので、栽培途中で頻繁に上から土を補充することになりますので、深いものを選びましょう。
ジャガイモの植える時期は、春蒔きは2月から4月までと、秋播きなら8月〜9月が適期です。特にジャガイモは冷涼な気候を好み高温多湿を嫌いますので春植えは春先に植えて梅雨前に収獲するのがよいでしょう。収獲は春植えは5〜6月と、秋植えは11〜12月で霜が降りるまでがよいでしょう。発芽適温は18〜20℃で、生育適温は15〜25℃で最もよく成長します。PH=5.0〜6.5です。
ジャガイモの連作禁止期間は3年です。
2.用土(培養土)の準備
畑と違って、耕す事はできませんので、基本的には市販の野菜用の培養土を使いましょう。ジャガイモの好む土はPH(ペーハー)で5.0〜6.5で弱酸性土ですが、家庭ではPH計は持っていません。しかし今回、プランター栽培なので市販の用土(培養土)を購入する事で大丈夫です。もしジャガイモ専用の培養土があればそれを買うことでPHに関して安心できますが、少し割高になるかもしれません。筆者は通常の培養土を使って栽培しましたが問題はありませんでした。
ジャガイモがなぜPHにこだわるかといいますと病気が多発する傾向にあるからです。即ち、ジャガイモがPH=7以上のアルカリ土壌で育てると、収獲イモに瘡蓋(かさぶた)、あばたのようなものができる「そうか病」に罹りやすくなるので、ジャガイモ栽培には苦土石灰等を与えないで酸性土壌で育てるようにします。但し、PH5.0以下になると酸性が逆に高いので必ず苦土石灰等を少し土に加えます。またPH=6.0以上ならば苦土石灰は不要というのが家庭菜園での目安になっています。
それで市販の培養土を購入すれば、どちらかというと中性か、やや酸性の傾向がありますから問題はないようです。栽培途中で石灰類(苦土石灰、草木灰、貝殻粉末など)を決して与えないようにしましょう。日本の雨は元々酸性雨なので自然雨にさらせば酸性土になっていきます。
次に、購入した培養土は、プラッター容量に合う培養土を買って入れますが、いっぱい入れないでトップから2cm程の余裕を残して土を入れてください。尚、培養土は残して置いて下さい。というのもジャガイモ栽培では土寄せを頻繁にしますので、追加の土が必要になりますから培養土は残された方がよいかと思います。これで準備完成です。
3.種イモを植える作業
ジャガイモは種イモから植えてください。春植えは、定植が遅いほど害虫被害も大きくなりますので、地域によって2月に植えるところもあり、その頃からホームセンターで種イモが販売されています。秋植えは虫が付きにくいのでお薦めです。
秋植えのジャガイモはカットしないままで植えましょう。ヘソを下にして向けて置きましょう。春植えは半分(50g前後)に切って日陰で3日間ほど乾燥させ、切口がコルク化すれば植えつけができます。あるいは切口に灰(草木灰)をつける方法もあります。切口は下に向けて置きます。
溝は、深さ8〜10cm、幅が5〜7cm溝をつくり底を平らにして、種イモの間隔が20〜30cm程度に置いていきます。但し、芽を上に向けて並べましょう。プランターの大きさによりますが、2個程度しか置けないと思います。種イモと種イモの間に元肥を配置しますが、肥料は種イモに触れないようにしましょう。さもないと腐りやすくなります。
元肥には化成肥料を一握り約30グラムをイモ間に置きます。またはジャガイモ専用の肥料が販売されていますのでそれを使われてもよいかと思います。
深さ8〜10cmの底に種イモを配置した後、覆土はジャガイモの上へ5cmほどで覆い表面を平らにします。その後、タップリ水をまきましょう。
種イモ間に元肥(専用肥料配置)
4.散水(灌水)作業
潅水は、土が乾いた時に散水する程度にしましょう。水のやり過ぎには注意してください。15〜30日ほどで発芽します。灌水頻度は生育状態に合わせて調整しますが、晴れた午前中に散水するようにしましょう。
5.芽欠きと追肥と土寄せ作業
ジャガイモが発芽すると新芽がたくさん(例えば4〜6本程)でてきます。背丈が10cmほどなれば、太めの新芽1〜2本残して残りは抜き取ります。不要な新芽を抜くときは根元の土を手で押さえながら斜め抜きをします。残す芽を誤って引き抜かないようにしながら、引き抜いてください。
その後、化成肥料30gをパラパラと蒔いてください。そして株元に土を寄せてください。土が不足している場合は、培養土を追加してください。土寄せが少ないと日があたりイモが緑化します。
その後、生育にともない、根元に新しいイモがどんどん形成されてイモが少し地表に露出してきますので、そのイモを隠すように土寄せをするか、培養土を追加し、覆うようにしてください。その際に化成肥料15gほど追肥してください。追肥は収獲まで2〜3回程度です。過肥は葉を茂らせてイモの減収獲にもなりますのでご注意下さい。
更に、イモ専用の肥料をすでにお持ちならば化成肥料の替わりにそれを追肥してください。
6.収獲
ジャガイモは平均的には60〜120日(春作と秋作で異なります)で収獲できますが、花が終了してから茎葉が黄色く枯れてから収穫しましょう。特に春作の収獲時期が梅雨入りの前後にあたる場合が多く、それで晴天が数日続いた日に掘起こし、日陰で乾かした後に調理につかいましょう。
注意事項として、収獲したジャガイモを日の当たる場所に置かれると緑化します。緑化すると品質の低下のみならず毒素であるソラニンが生成されエグ味が出ますのでソラニンは芽に多く含まれているので、しっかり取って調理してください。