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【家庭菜園】野菜同士…

【家庭菜園】野菜同士の好き嫌い相性から見ての栽培方法

野菜の栽培する際には、人間と同じで野菜同士にも相性がありますのでご注意ください。仲の良い同士は大きく健康に育ちますのでぜひ相性の良いものを組み合わせて栽培してください。

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家庭菜園をするうえでの野菜同士の相性問題

【家庭菜園】野菜同士…

野菜同士に相性があるのをご存じでしょうか?初めて家庭菜園をする方にとって、この野菜の組合せは非常に大事な要素です。最初は気がつかない場合が多いのですが、家庭菜園をする方々は畑の大きさが限られていますので、どうしても限られた土地に多くの野菜を詰め込まざるを得ない場合が多く、3〜4年目頃から、輪作・連作問題や野菜の相性問題に直面すると思います。

しかし、家庭菜園の最初の段階で、輪作・連作も含めて野菜の相性問題を理解しておけば、減農薬や病害虫の発生率低下や収穫率の向上につながりますので、ぜひ野菜の相性問題を気に掛けて作業してください。

特に、同じ畝に二種類以上の野菜を植える混植及び間作という場合には注意が必要です。また、前作と後作の関係にも注意が入ります。また、畝が離れていてもトウモロコシのように二種類、例えば、白色トウモロコシと黄色トウモロコシを近くに植えると花粉が混ざりますので白黄色混じりの実ができたりします。

相性問題は病害虫の被害の増減と関連しているようですが、科学的に解明されているものや、そうでない場合もあります。後者の場合は長年の経験から導きだされたもので農家間で伝わっているものです。筆者の経験では、輪作・連作問題(同じ場所に同じ野菜を毎年植えることから生じる生理障害をいう)とは別にして、野菜が病害虫に感染。被害を受けやすいとか、成長速度が遅い、生理障害が発生しやすく、当然、収穫状況も悪くなります。以下に野菜同士の相性を説明します。

多くの野菜との混植で良い傾向を持つ野菜群(科)の事例

①ユリ科ネギ属(長ネギ、葉ネギ、ニラ、ニンニク、千本ネギ等のネギ類)と多くの野菜との混植
但し、キャベツと豆科(インゲンマメ、エンドウ、枝豆)の混植は忌避。また、長ネギと大根の混植は忌避。

②アブラナ科(大根、白菜、キャベツ、ブロッコリー他)とキク科(シュンギク、レタス)との混植

③ウリ科と長ネギとの混植

④イネ科(トウモロコシ、麦類など)と多くの野菜との混植、間作、輪作

⑤キク科(レタス、ゴボウ、シュンギク)とアブラナ科との混植

アブラナ科野菜はアオムシ(モンシロチョウの幼虫)、ヨトウムシ(蛾の一種)、コナガの幼虫が集まりやすい。セリ科はアゲハチョウが集まりやすい。
ソラマメは栄養豊富で害虫が、特に油虫が集まり増殖すると天敵(テントウムシ、アブラバチなど)も集まって繁殖します。エダマメには根粒菌がいて土中の線虫を寄せ付けない。長ネギには拮抗菌がいて抗生物質を産出している。
ネギ類(ニンニク、ニラ他)には特有の臭いがあり害虫の忌避に役立てている。また、根に病原菌の拮抗微生物が共生しており、土壌病害の防除に役立てている。
イネ科は線虫を減らす。豆科は根粒菌が窒素を貯めて土壌改良に役立つ。
このように各野菜の科目により病害虫を引き寄せやすいものから、反対に寄せ付けない作物があり、これらをうまく組み合わせて混植すれば、病害虫の被害を低減できるのです。大昔、まだ農薬の無い時代に、病害虫を少しでも減らす工夫がなされて、それらの知恵が近年まで伝承されて農家が採用していたのです。

果菜類での混植

①キュウリと混植
ネギ類、トウモロコシ、キャベツ、大根、カブ、ショウガ、豆類(枝豆)、タマネギ
(但し、スイカ、メロン、カボチャ、ゴボウ、インゲンマメは忌避)
②スイカと混植
ネギ類、トウモロコシ、レタス、タマネギ
(但し、キュウリ、カボチャ、インゲンマメ、ゴボウは忌避)
③メロンと混植
ネギ類、トウモロコシ
(但し、キュウリ、カボチャ、ゴボウと忌避)
④カボチャと混植
トウモロコシ、枝豆、レタス、枝豆、インゲンマメ
(但し、キュウリ、スイカ、メロン、ジャガイモは忌避)
⑤トマトと混植
ネギ類、枝豆、キャベツ、ブロッコリー、レタス、ほうれん草、チンゲンサイ、タマネギ、ニンジン、落花生
(但し、オクラ、ピーマン、トウモロコシ、ナス科、ジャガイモは忌避)
⑥ナスと混植
ネギ類、枝豆、豌豆、インゲンマメ、レタス、ほうれん草、タマネギ、タマネギ、
ショウガ
(但し、トウモロコシ、ナス科トマト、ピーマン、オクラ、ジャガイモは忌避)
⑦イチゴと混植
レタス、タマネギ、ニンニク
(但し、アブラナ科野菜全般に忌避であるが、特にキャベツ、ブロッコリーは忌避)
⑧トウモロコシと混植
ウリ科(キュウリ、スイカ、メロン)、カボチャ、豆科(枝豆、インゲンマメ)唐辛子、キャベツ、レタス、ほうれん草、ニンジン、ショウガ 
(但し、トマトと忌避)
⑨オクラと混植
ほうれん草 
(但し、ナス科、ゴボウ、ニンジンは忌避)
⑩唐辛子と混植
トウモロコシ、キャベツ、ブロッコリー、豆科(枝豆、エンドウ)
⑪ピーマンと混植
豆科(枝豆、蔓無しインゲンマメ、落花生)、レタス 
(但し、ジャガイモ、ナス、トマト等のナス科と蔓有りインゲンマメは忌避)

⑫枝豆と混植
キュウリ、カボチャ、ナス、トウモロコシ、唐辛子、ピーマン、ほうれん草、ジャガイモ、サトイモ、サツマイモ、ニンジン
(但し、ネギ類は忌避)
⑬エンドウと混植
キュウリ、ナス、ほうれん草、カブ、ニンジン、唐辛子 
(但し、ネギ類は忌避)
⑭インゲンマメと混植
マト、ナス、トウモロコシ、ピーマン、キャベツ、ジャガイモ、大根
(但し、ネギ類、カブ、ニンジン、キュウリは忌避)

葉菜類での混植

①キャベツと混植
キュウリ、トマト、トウモロコシ、インゲンマメ、唐辛子、レタス、タマネギ、ニンジン、シュンギク
(但し、イチゴは忌避)
②ブロッコリーと混植
レタス、トマト、インゲンマメ、レタス、タマネギ、シュンギク
(但し、イチゴと忌避)
③レタスと混植
スイカ、カボチャ、トマト、ナス、トウモロコシ、イチゴ、ピーマン、キャベツ、ブロッコリー、ほうれん草、チンゲンサイ、カブ、ニンジン、大根、、白菜、ミズナ、ミブナ
(但し、ネギ類、タマネギは忌避)
④シュンギクと混植
ネギ類ニラ、チンゲンサイ、カブ、キャベツ、大根、チンゲンサイ、ブロッコリー、ミズナ、ミブナ
⑤ミズナ又は壬生菜と混植
ネギ類ニラ、シュンギク、レタス
(但し、ジャガイモは忌避)
⑥ほうれん草と混植
ネギ類(葉ネギ)、ナス、トウモロコシ、枝豆、エンドウ、レタス、ジャガイモ、ゴボウ、カブ、ニンジン、タマネギ
⑦チンゲンサイと混植
トマト、レタス、シュンギク、ニンジン

根菜類での混植

①タマネギと混植
キュウリ、スイカ、トマト、ナス、イチゴ、キャベツ、ほうれん草、ニンジン
(但し、レタスは忌避)
②ジャガイモと混植
枝豆、インゲンマメ、ほうれん草
(但し、ナス類、アブラナ科、ショウガ、ニンジンは忌避)
③サトイモと混植
枝豆、大根、ショウガ
(但し、ニンジンは忌避)
④サツマイモと混植
豆科枝豆、ゴボウ、赤シソ
⑤ゴボウと混植
ほうれん草、サツマイモ
(但し、ウリ科キュウリ、スイカ、メロン、オクラは忌避)
⑥大根と混植
キュウリ、サトイモ、ニンジン
(但し、ネギ類の長ネギは忌避)
⑦カブと混植
キュウリ、エンドウ、レタス、ミズナ、ニンジン
(但し、インゲンマメは忌避)
⑧ニンジンと混植
ネギ類、カボチャ、トウモロコシ、枝豆、エンドウ、トマト、キャベツ、ブロッコリー、レタス、ほうれん草、チンゲンサイ、タマネギ、大根、カブ
(但し、ウリ科、オクラ、インゲンマメ、ジャガイモは忌避)
⑨ショウガと混植
キュウリ、ナス、イチゴ
(但し、ジャガイモ、サトイモは忌避)

相性の悪い野菜の組合せ

①ナス科とナス科(トマト、ナス等)混植禁止、連作禁止
②ウリ科とウリ科(キュウリ、メロン、ウリ等)混植禁止、連作禁止
③アブラナ科(キャベツ、大根、カブ等)とジャガイモ混植禁止
一般的にジャガイモは多くの野菜と相性が悪いので混植は避けるのがよい。
④ネギ類と豆科(インゲンマメ、エンドウ、枝豆等)混植禁止
⑤「良い野菜」の各野菜の「但し書き」が相性の悪い野菜として記載しています。

まとめ

以上が野菜の相性のほんの一部の事例ですが、それ以外に、野菜同士だけでなく、
ハーブ類(パセリ、バジル、ミント、カモミールほか)、雑草類(ホトケノザ、ハコベ、ヨモギ、スイバほか)、花類(ヒマワリ、マリーゴールド、コスモスなど)、緑肥用・景観用の植物(ソルゴー、エン麦、レンゲなど)と野菜の混植・間作・輪作などで病害虫の低減化に役立てる事ができますが、ここでは割愛し次回の機会にしたいと思います。 

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